2025年4月より2年間、本学会の会長を務めます竹越です。東京都立大学の大学院生であった私が最初にこの学会に出席したのは1993年5月のことで、場所は練馬の大東文化会館でした。初めて本物の入矢義高先生を見て憧れを募らせたことや、佐藤晴彦先生が流暢な中国語で質疑をされたのに驚いたことなどが思い起こされます。その後就職したのを機に、会費を払える目処が立ったということで、当時学会事務を担当しておられた大塚秀明先生に入会希望のハガキを書いたのでした。
 以来、私にとってこの学会は数多くの機会を提供してくれたホームグラウンドです。本学会は、1960年代初頭に始まる清末文学言語研究会と明清文学言語研究会の活動を源流とし、1985年に中国近世語研究会として発足、1995年に現在の学会組織となりました。このような長い伝統の一方で、年2回ある研究会には誰でも気軽に応募でき、ちょっとした思い付きでも小特集として提案できるという柔軟さも併せ持っています。次世代への継承にむけて、持続可能な体制を整備できるよう微力を尽くしたいと思いますので、ご助言やご提案のほどよろしくお願いいたします。

中国近世語学会会長 竹越 孝
2025年5月1日